ω 彼氏とわたし ω

3月は別れの季節。
実はわたしも心を鬼にして彼氏と別れました。
苦渋の選択だったんです。

そんな彼氏とわたしのお話です。


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彼氏とわたしの出会い!

彼氏と出会ったのはまだ高校生だった頃。
ほぼ一目惚れでした。
存在は知っていたけれど、
実際に会ってみたらまさにわたしの理想がそこにいたのです。

19歳になったとき勇気を出した結果、
それ以来13年以上つきあうこととなりました。

彼氏は高身長のイケメンで細マッチョ。
タフでどんな状況にも対応出来るできるヤツです。
ただちょっと、お金がかかるヤツでした。

彼氏との思い出!

長く一緒にいただけあって彼氏との思い出はとてもあります。
何せ、2年ごとの数日間以外は常に一緒にいたのですから。

一緒に過ごすようになったばかりの頃はあまりに嬉しくて、
最初の数ヶ月で20,000km近くもの距離をデートしました。

一緒に星空を眺めて過ごした夜も多々ありますし、
わたしのせいで傷つけちゃったことも多々ありました。


彼氏との一番のエピソードはやはり2011年3月11日。
あの東日本大震災のときのことです。
わたしは津波こそ免れたものの被災をしていました。
3日間、ガスも電気も水道も使えないような状況で、
続く余震にひとり不安に押し潰されそうになっていました。

震度6近い余震が必ず来る!と言われていて、
家にいたら逆に家財道具が倒れたりして危ないとご近所さんに言われました。
まわりに合わせて家を飛び出したわたしと
ずっと一緒に過ごしてくれたのが彼氏です。
暖房もなくまだまだ寒い冬の最中、わたしを包んで暖めてくれました。
あのときはその包容力に、
彼氏がいてくれて良かった、彼氏で良かった、と心の底から思ったものです。
わたしは確かにあのとき、何があっても離れないぞ!と決意をしました。

彼氏と別れる決意をした日!

なのに、状況が変わったせいで
わたしは彼氏に別れを告げなければならなくなりました。
わたしは彼氏を養っていたのですが、
彼氏が歳を重ねすぎて、ものすごくお金のかかる存在になっていました。
金の切れ目は縁の切れ目と言いますが、
わたしもそれから逃れられませんでした。

彼氏は当然怒りました。
普段はわたしの言うことをよく聞いてくれていたし、
酷使しても文句の一つも言いません。
でもこのときばかりは不調になるというアピールをされました。

それでもわたしは別れを撤回しませんでした。
撤回したかったけれど出来なかったのです。

彼氏と別れた日!

別れのときは泣きました。
二人っきりにさせてもらい、
思い出をずっと語って思い出してまた泣いて…。
そのときにわたしの口から出て来た言葉は、

『感謝』

それだけでした。

最後の日。
それまでの不調が嘘のような穏やかな様子だった彼氏。
雨が続いていた中、別れの日だけはよく晴れていました。
彼氏と同じ真っ青な色でした。

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わたしが19歳のときに購入した愛車、
平成8年車のハイラックスサーフ SSX
CVTで今も昔もイレギュラーなレギュラーガソリン車。
燃費は8km/L未満で、最終走行距離は225,350km。

顔が大好きでした。
バランスのとれた四角いボディが大好きでした。
結構な段差も乗り越えられるイカついタイヤも大好きでした。
細めのハンドルが大好きでした。
アムロ行きます!」とか出来ちゃうシフトレバーが大好きでした。
シンプルなメーターも大好きでした。
経年劣化でハゲたボンネットも大好きでした。
シングルベッドすら載せられたカーゴルームが大好きでした。
わたしの人生を、文字通り足となって一緒に過ごしてくれた時間が愛しいです。

ボンネットに抱きつくのが好きで、その感触を思い出しています。
今でも会いたくてたまらなくなります。
車検のために預ける数日すらさみしくてさみしくてたまらなかったわたし。
そんなわたしが永遠の別れを受け入れるにはまだ時間がかかりそうです。
彼は今頃某外国で新たな人と出会い、わたしのように幸せにするのでしょう。


3月は別れの季節ですが、
4月は出会いの季節でもあります。
わたしはまた、理想の彼氏に出会うために切磋琢磨したいと思います。



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